九州の黒潮の海を潜る│ディスカバリークルーズ

地球上でもっとも巨大なエネルギーである「海流」。その最大の規模を誇る黒潮は広く太平洋を支配し、南半球の国々を経由しつつ徐々にパワーを増し、日本列島・九州を直撃します。そこからまるで両腕を伸ばすように、南北に進路を分けます。この二本の海流に青く染められる3つの海域があります。ひとつは九州北方の「玄界灘」、ひとつは九州南方の「薩南トカラ」、もうひとつは九州西方の「長崎五島」です。


ディスカバリークルーズ、チームこれまでの軌跡

2004年、私たちチームは九州の南、鹿児島枕崎に拠点を置き、薩南三島(硫黄島・黒島・竹島)で潜水を開始しました。最初の動機は「まだ誰も潜っていない海だから」という単純な好奇心でしたが、その海に広がる不思議な光景、海が赤や白に染まる水中オーロラや、海底から熱水が湧き出す水中温泉、高層ビル群のような切り立った岩々や沈船などは、私たちが当初持っていた好奇心を、冒険心へと高めていきました。


日本最後の秘境トカラ列島への探査クルーズへ

薩南三島から更に南へ下り、トカラ列島へと探査エリアを広げたのは2014年ごろ。この頃から、フェリーなどの公共機関ではなく専用のクルーズ船で海図を広げて潜水計画を練る、現在のスタイルが定着しました。猛烈に速いトカラ潮流での潜水は困難を極めましたが、大型魚の群れや狂暴なイタチザメをはじめ、大型エイ・マンタの北限生息域を発見するなど、チームは成果を上げていきました。


九州北部 玄界灘・神宿る島の探査はじまる

2015年には福岡糸島に拠点を作り、専用の高速クルーザーを駆使して玄界灘での探査を開始。人が立ち寄れない神宿る島・沖ノ島はのちにユネスコ世界遺産に登録され、同時に私たちチームの潜水活動にも耳目が集まりました。2019年にはテレビ放映のためのプロジェクトチームを結成、ロケ中に海底の洞窟を発見したり、天然のクロマグロ群の撮影に初めて成功するなど、そのドキュメントの模様はNHK番組で全国放映されました。


これまで九州の海が手つかずだった理由

沖縄や伊豆の美しい海は、古くからレジャーダイビングや水中撮影のメッカでしたが、同じく美しい九州の海は、これまでほとんど手つかずでした。関東関西からはアクセスが不便で、海流が速いため潜水が難しく、外洋へ出るのに特殊な(シケに強い・中大型の)船舶が必要というハードルが、先人たちの挑戦を妨げていました。私たちチームはこれらをひとつひとつ解決し、互いに信頼関係とスキルを高めていきながら、常に新しいチャレンジへ向かっています。


新たな挑戦 第三のディスカバリークルーズへ

薩南トカラ、玄界灘に続き、いよいよ第三の海域・長崎五島への挑戦が、この2020年から開始されます。福岡を出港し玄界灘・壱岐水道・平戸島から東シナ海へ抜ける西海航路を通り、遠く五島列島を目指します。寄港地の小値賀島から海図を開き、様々な未開の沈み瀬(マンゼラ・シャクシ・ヒサゴ)を経て最終目的地の白瀬杓子岩まで、およそ120海里(約200km)の冒険航海です。

※2020年07~10月の調査クルーズを経て、2021年に詳細をリリースする予定です